二酸化塩素について

英語名

Chlorine dioxide

 

性質

  • 常温では、塩素やオゾンに似た臭いを持つ赤黄色の気体(ガス)。
  • 強力な酸化剤で、多くの物質と反応する。
  • 水に比較的溶けやすく、水と混ざって、黄色結晶の水化物が得られる。
  • 二酸化塩素水溶液
     熱に対して・・・・・不安定
     光に対して・・・・・不安定

 

効果

細菌・真菌・細菌芽胞に有効。ウイルスに対しても有効といわれている。

 

作用

二酸化塩素の性質(酸化力)により、蛋白質の変性、細胞膜の破壊を行う。

 

用途

紙、パルプ、繊維の漂白。
水の消毒、脱臭。デンプン、小麦粉、特にパン用粉の漂白及び品質改善に用いられる。

 

食品衛生法

小麦粉の漂白剤として使用許可。(10〜20ppm)

 

プール衛生基準

塩素より殺菌力が強く、すでに米国、カナダなどで飲料水の消毒に使用されていることから、使用許可。(0.4ppm)

 

水道施設の技術的基準

浄水処理過程における水に注入される薬品等により水に付加される物質として、使用許可。(2ppm以下)

 

暴露時の指針

  • ACGIH(米国産業衛生専門会議)での許容濃度(TLV)・・・・・・・0.1ppm
  • ACGIH(米国産業衛生専門会議)での短時間暴露限界値(STEL)・・・0.3ppm

 

二酸化塩素の安全性

環境にやさしく安全で無駄のない物質です。

  • 二酸化塩素(CLO2)は安定な物質で、通常の条件ではCLとO2に分離せず、ダイオキシン、トリハロメタンやオゾンガス等の環境破壊物質はできません。微生物等の有機物がなければそのままで存在するので、除菌作用が長持ちします。
  • 二酸化塩素(CLO2)の暴露許容濃度は、ACGIH(米国産業衛生専門会議)により、8時間平均の暴露許容濃度として、0.1ppm、15分間の短時間暴露許容濃度として0.3ppmとされています。(オゾンガスと同等)

一般に1ppm程度の濃度で臭気を感じ、10ppm以上の濃度に暴露されると粘膜に炎症を起こすことがあるが、変異原性や発癌性は示さないとこが知らされてます。また、有人下で使用する場合、上記許容濃度で使用します。

 

二酸化塩素製品の工業(業務)用途への利用

日本では次亜塩素酸ナトリウムが消臭・除菌の薬剤として広範囲に利用されてきた歴史があります。
それに対して欧米等の諸外国においては、二酸化塩素の特徴を生かして各種用途に利用されており、食品や水道水の分野に対しても国で使用許可されてる例があります。
二酸化塩素の利用が諸外国よりやや遅れている原因の一つは、二酸化塩素を安全に利用できる適切な流通製品が市場に出なかったことによります。
現在は二酸化塩素製品が市場に出て利用されるようになったことで、誰でも利用できるようになりました。
薬剤は、全てに言えることですが、事故を未然に防ぐためには、製品についての正しい知識が必要であります。
特に工業(業務)用途に使用する場合、家庭使用の場合より二酸化塩素の使用量が多くまた大勢の利用者がいる環境ですので、間違えば大きな集団事故を惹き起こす可能性があります。
そのためには、製品メーカーや販売元は、適切な製品仕様と使用基準を明示すること、また利用者は使用方法を遵守することが大事です。

 

用途例

【水処理】

・スイミングプール、温泉施設、ビル・工場冷却水、浄水場、各種用水タンク、各種水循環配管、動物畜舎、老人施設等の水処理分野においては、微生物汚染の洗浄除菌を目的に使用事例が増加しています。その理由の一つに低濃度の二酸化塩素で効果が認められるので、次亜塩素酸等と比較して施設の腐食障害を発生しないという特徴が挙げられます。

 

【施設の環境衛生】

・学校、旅館、ホテル、ビルオフィス、レストラン店舗等の施設の空気に関わる「悪臭と微生物汚染」を抑制する環境衛生を実施するための管理システムをビル管理項目にプラス取り入れる。

 

【洗浄・消毒・駆除】

・各種ウイルスへの感染者を出さないための衛生を実施。
・悪臭を除去し、快適な環境とするための衛生を実施。

 

瓦礫・汚泥処理・悪臭対処と感染予防対処(被災地における災害時の環境衛生)

災害により生じた瓦礫と汚泥は、悪臭の環境問題だけでなく放置が長引くと病原菌による感染症が発生する恐れがある。確実な対処が求められている。
この事態の悪臭と感染予防の対処方法は、従来から行われている「次亜塩素酸ナトリウム」や「消石灰」などの一般的な方法だけでは解決しないことが、被災現場でのこれまでの状況からはっきりしている。過去に経験したことのない厳しい現場の環境であり容易ではない。
そのため各種の対処方法が提案されているが、これらは一長一短あり適切な対処とはみなされていない。
「二酸化塩素」による対処方法であるが、下記のいくつかの事実を総合すると現時点で考えられる最善の方法と考えられる。

 

【二酸化塩素の過去の実績と評価】

・二酸化塩素は、安全で最高の効果を有するので、「次世代の優れた抗菌剤」と米国、ドイツなど世界で高く評価されている。
・「二酸化塩素タブレット製品(DIOX®)」は、流通可能な製品である。
・米国で過去にテロによる炭そ菌事件が起きたが、対処方法として二酸化塩素が選ばれて見事に解決した。
・過去にインドネシアで発生した大規模津波の時に、二酸化塩素が使用され多くの人命を救った。
・過去に米国ミシシッピー地域で起きた最大のハリケーンの時に、二酸化塩素が有効に使用され環境汚染の二次被害抑制に貢献した。
・先の新型インフルエンザが世界的な流行になった時に、二酸化塩素製品はドラッグストアで販売され予防効果に貢献した。
・温泉やスーパー銭湯で発生する菌の対策に本薬剤は有効に使用されている。
・国内のプールや上水場における除菌、ウイルスの対処などにも有効に利用できる。